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デジロウ入社3ヶ月の振り返り

  • 執筆者の写真: Takaharu Tsuda
    Takaharu Tsuda
  • 9月15日
  • 読了時間: 3分
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デジロウに入社して3ヶ月が経ちました。これまで IBM、SAS、Teradata、MetLife と渡り歩き、主にデータサイエンティストとして活動してきましたが、デジロウで新しい挑戦に取り組めることを本当に幸運に思っています。


IBMで味わった「歯痒さ」

少し昔話をすると、IBM在籍時に「ダウンサイジング」の大きな波を体感しました。当時、IBMは汎用コンピューターで圧倒的な存在感を誇り、「性能・規模こそが課題解決の秘訣」という価値観が支配的でした。しかし現実には、UNIX や PC ベースのシステムが広がり、より身近な課題を柔軟に解決する技術が支持されていきました。


お客様が本当に欲していたのは「性能そのもの」ではなく「目の前の課題を解決してくれること」。IBMはセキュリティやスケーラビリティの懸念を理由に新潮流を十分に受け止められず、市場を失っていきました。その現場を内側から見ていた私は、正直、歯痒さと無力感を強烈に覚えています。「わかっていたのに、会社は動けなかった」──この体験は、いまも私の原体験として胸に残っています。


歴史は繰り返さないが韻を踏む

マーク・トウェインの言葉に「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」というものがあります。いま進行しているAIの競争を見ていると、まさにその"韻"を感じます。ビッグテックは巨大なデータセンターを築き、Evals のような指標で性能を競っています。


一方で、オンデバイスAIやローカル処理など、「個別の課題に直接寄り添う動き」も静かに広がっています。まだ一部の技術者の領域に見えるかもしれませんが、私はここに大きな潮流の転換点を感じています。


電気とエレベーターと冷蔵庫

技術の本当の力は、性能そのものではなく「社会に落とし込まれた瞬間」に生まれます。電気がただの発電所ではなく、エレベーターを可能にして高層建築を生み、冷蔵庫を通じて家庭や物流を変えたように。


透明なAI

私自身も、現場でこうした変化を目撃しました。AIが機械ごと・設置場所ごとに故障可能性を予測し、アラートを出してくれる。作業員はただ点検に行けばよく、「AIを使っている」とすら意識していません。いわば「透明なAI」です。自然に業務に溶け込み、結果として効率も安全性も大幅に高まっていたのです。この瞬間にこそ、AIが「性能」から「便益」へと進化する姿を見ました。


デジロウで挑戦する「カスタムAI」

デジロウが掲げる大きなテーマのひとつが、この「カスタムAI」です。ビッグテックが作る汎用AIではなく、特定の課題にフォーカスし、便益を社会に実装するAI。いまは医療機関の課題に取り組んでいますが、将来的には誰もが自分専用のAIを自在に作り、日常に自然と溶け込ませる社会を目指しています。


IBMで歯痒い思いをした私にとって、再びこの変化の最前線に立てることは、何よりも幸運なことです。AIは「巨大な発電所」ではなく、「生活を変えるエレベーターや冷蔵庫」として社会を変えていく。その挑戦に加われることを心から楽しみにしています。

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